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海のテラス〜南城

2013年6月19日 ブログより

完成までもう少しのところまできた。
といっても今からが重要な局面。躯体の持つ純な造形、力強さ、
美しく作り上げた構造体をいかに残しながら、
人間が住む為に必要な事柄を最小限で納めていくか。
建築として命が宿るか否か。ここが肝である。

装飾要素は存在しない美しい自然界に人工物を建てさせて頂く。
いかに必然たる構成要素のみで自然と対峙する建築をつくるか。
凛とした意志をもったわがままではない美しい建築。
物で溢れかえったこの時代だからこそ、足し算ではなく引き算で物事を思考する。
そうして完成した建築は自然と調和し、きっと永遠の美しさを灯し続けてくれる、
と信じている。だから完成するその日まで粘り続ける。

この地を初めて訪れた日から、そんなことを考えてここまできた。
目の前に拡がる地球を前に。『ありがとう』