リノベーションを想う。
現在進行中のリノベーションの現場から。
既存の構造体を活かしながら、周囲の環境を最大限取り込んだリノベーション。
リノベーションには既存の制約もあるが、新築にはない面白さがある。
今まで慣れ親しんだ住人の家への愛情を守りながら、我々が新たに提案した空間の変化に、住人が感動し、喜んでくれる、というところにある。
既存の制約さえも新たな空間作りへの手掛かりとし、自然環境を最大限取り込み、静謐な空間を生み出す。
新築では発生しない仕事も多々あり、手間も掛かるリノベーション。
既存建物の図面を元に、緻密に積み重ねられた新しい設計図は、解体をして初めて判明する天井裏、床下、構造体を前に、スピーディな、時には即興での変更を迫られる。
その際、反射神経と引き出しの数が勝負になる。
トータルコストの中でのデザインをより意識しながら、どこまでをさわり、どこからはさわらないかをその場その場で考え悩み、完成する空間をイメージしながら現場で決断を重ねていく。
費やしたコストに対し、空間の質という意味での最大限の効果を目指しながら。
刻一刻変化し、目に見えて生まれ変わる現場、リノベーションはなかなか面白い仕事である。
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