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【斜面地に家を建てる方法。その2】

前回のその1では、
《いきなり平面プラン(間取り)を作らない》重要性をお伝えしました。
 
その2では、なぜ、いきなり平面プラン(間取り)を作ってはいけないのか?
その理由と目的についてお話しいたします。
 
まず斜面地、崖地には、平地とは異なる様々な制約があります。
道路面から敷地が下がっている場合、上下水道が整備されていない場合、斜面の角度が急勾配の場合など、平地にはない難題が沢山あります。
 
従来の設計アプローチでは、それら様々な難題を乗り越える為の第一歩目として、高額な費用をかけて擁壁作り、という誤ったところからスタートします。
 
実は、まず何よりも大切なことは、姿、形の個別のデザインの前に(勿論擁壁作りでもなく)、建物をどのように配置し、どう建てるか、という根本的なところにあります。
 
なぜか?
 

それは、そこが建物建設の本質であり、かつ最もコストに跳ね返ってくるところなのです。
 
個別具体的には、駐車場の取り方、排水計画、そして建物の基礎の作り方、という大きな枠組みのところであり、そこがしっかり考えられて初めて、コストも含め全体が見えてきます。
勿論そこだけを考えれば良いわけではなく、当然ですが、内部空間や建物の外観も同時進行で考えていきます。
 
写真の住宅は、眺望が良い傾斜地に建つ沖縄の海が見える住宅です。
この住宅は、道路面から敷地が下がっており、上水道が整備されておらず、そして斜面の角度が急勾配、という傾斜地制約3点セットの環境に建っています。(難題は、実際には3点では済みませんが。。。)
 
これら傾斜地制約3点セットを心地良く解決して初めて住宅が実現します。
 
次回は、具体的にコンセプトの設定方法について、実例を踏まえてご紹介しましょう。

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PROFILE

山本 雅紹

建築家
山本 雅紹
Masatsugu Yamamoto

一級建築士

宅地建物取引士

 

その場にしかない空気を求めて

 

十代の頃から世界を旅している

 

あの町のあの曲がり角で感じた風

路地に差し込む光

 

水面を照らし出す夕陽

樹々の隙間から漏れる光と影

 

人が彩る熱帯

人が集う静寂

 

旅は空気を教えてくれる

目に見えない空気をつくりだす

 

建築は空気。

 

山本雅紹

 

<趣味>

世界中の町の空気を肌で感じる旅を10代の頃から続けています。旅を通してその場で感じたことは、建築をつくる上で大きな原動力となっています。

 

<旅した国>

フランス/イタリア/スペイン/ドイツ/スイス/トルコ/オーストリア/エジプト/アメリカ/フィンランド/カナダ/インド/カンボジア/中国/タイ/インドネシア/メキシコ/ポルトガル
旅のスケッチ

 

<好きなこと>

ビールを飲むこと

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