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旅。【2015夏 vol.1】

image10代の頃から世界を旅している。
 
事務所を始めてからは、以前のように計画を立てて旅へ出る、なんてことは出来ず、進行中のプロジェクトの一瞬の合間を見つけて急遽飛ぶ。
 
今回はイタリアで制作中のRAKUEN interiorのレリーフ、家具の進行具合や、その他丸秘計画もあり、ヨーロッパ南部5日をイメージして、出発当日に荷造りしてバタバタっと出た。
 
旅は、自分と向き合える贅沢な時間。
次の目的地までの車窓から感じる風、夕陽、どこまでも続く空、現地の美味い食とお酒、そして日本のように思い通りにはいかない少しの不便と無数の発見。
 
僕の心、体を通じて感じた空気は、僕の心、僕の手からスケッチブックへ、そして設計図面へと浮かび上がり、建築となって現実となる。
と、こんな風に、建築を生み出すプロセスは数行なんかで書けるほど、涼しげなものではない。
建築を生み出すプロセスは、困難と葛藤、そして悩みの中にある。
 
先人が作り上げた魂を揺り動かす建築を前にした時、勇気とパワーを貰ってその場の空気感や感じたまんまを取り憑かれたようにスケッチをする。
旅は、『建築が大好きだ』という10代の頃の感覚をいつも僕に思い出させてくれる。
こっぱずかしいが、建築が大好きだ。
 
旅は、僕の建築の原点。
今までも。そして、これからも。
 
この夏をブログでぼちぼち更新していきます〜
写真は、教会でスケッチしてたら、お昼休みで追い出されて、外でスケッチの続きをすることに…てなワンシーン。僕にとって、至極の時間です!

キャンディ。

image『お、おれのキャンディは、、、?』
 
先日の沖縄大阪間の飛行機にて。
飛行機は、何回乗ってもやはりあまり好きな乗り物ではない。自由が無い、そしてたまにハプニングもある。
 
離陸後、しばらくして喉がイガイガしてきた。カラオケは嫌いな方ではないが、喉は個人的にはそこまで強い方ではない。
そんな中、タイミング良くアナウンスで『機内にて、キャンディのご用意がございますので、お求めの方はお申し付け下さい』この飛行機ではキャンディは手を挙げた方にだけ支給されるシステムのようで、喉と相談する間もなく、客室乗務員の方にキャンディの支給をお願いする。少々お待ち下さい、と快諾頂き、待つことしばし。
 
普段そこまでデリケートな方ではないが、喉がキャンディ有りきで考えてしまったのであろうか、喉のイガイガが進行している。いうならば、ようやく見つかったトイレに駆け込んだら行列、のような感じか。
 
そうこうしていると、前方から先程の淑女が手ぶらで颯爽と通路を歩き去る。
おぃおぃ、の、喉が。。。い、いや、しかし、大の大人がキャンディで騒ぐのも如何なものかということで、歩き去った淑女を首120度旋回で見送りながら、何もなかったかのように少し余裕な感じでやり過ごす。
しばらくすると、任務を終えたのか、後方から先程の淑女が今まさに手ぶらで通り過ぎようとしている。
 
いまだっ!とばかりに、発問する。
『あ、あ、あのぅ、キャンディまだでしょうか。』
『しばらくお待ち下さい』
喉不調で変な声交じりの短いやり取りの後、待つこと10分。
前方からキャンディカゴを両手でしっかりと持って先程の淑女が現れた。
いよっ!待ってましたぜ!大統領!とばかりに、体を通路側へ20%傾け、お待ちしてましたぜ的なポーズで少し余裕で迎え入れる。
 
と、なんと、その淑女は確信的かつ凛とした表情で小生の横を通り過ぎるではないか。
そして、小生の後部座席の患者、いやお客様へキャンディが入ったカゴを差し出したのである。
 
えっ、お、おれより症状深刻なん?
こ、こんなところに先約の患者がいてたんかいな、おいおい、てなことで、後部座席のリサーチを開始する。
ホシはどうやらアベックのようだ。様子を伺うと、何やら、『えっ、キャンディくれるの?ん、じゃあ貰おうか』的な空気がプンプンする。明らかにおかしい、ホシは健康体だ。
 
しばしの沈黙の後、カゴの中のキャンディを選び取る音がする。
カサカサッ。
そして、『テンキュー』。
 
えっ?
これは一大事である。
喉の負傷もそっちのけで、首を150度旋回させ、後部座席の患者を確認。グリーンマイルに出演してそうな黒人さんが着席している。そ、そして、問題の淑女はそのまま後方へと舵をきった。
小生も肌は一般の方よりは灼けている方だが、喉は人より強いという訳ではないのに。
 
『お、おれのキャンディは!?』
 
てなわけで、森のコートハウス作品公開しました。

森のコートハウス。

image木陰の下、昼寝をするように。
 
建築は、壁、屋根という要素で成り立っている。
木陰には、壁も屋根もない。
あるのは、心地良い木漏れ陽と遮るものがない風の流れ、そして木の下の包み込まれた包容力である。この建築では、壁、屋根というハードな要素を、木漏れ陽、風の流れ、包み込む、というソフトな要素へ変換した。
壁、屋根というハードなモノをソフトなイメージに変換する。
この行為を通じ、内(室内)でありながら外(外部)のような、外でありながら内のような空間を設計した。

具体的な構成としては、壁、屋根という要素を三重の層とした。
一重目の層は、家族を自然から守る外皮としてのハードな壁、屋根。
二重目の層は、外皮と内皮の中間領域に位置する建築の各部に点在した森。
三重目の層は、家族を自然とつなぐ内皮として包み込む壁、屋根。

外皮は強い陽射し、風雨から家族を守り、外皮と内皮の中間領域である森を通し、強い陽射し、風雨を更に柔げて室内に導く。
そして、内皮は家族を包み込む包容力として存在する。

メソッドとしては、各室の光は建築の各部に点在したトップライトから絞り込んで導かれ、木漏れ陽をつくり出す。光の扱いには様々な方法がある。面の光、点の光、線の光、更にそれらが直接的な光か間接的な光なのか。
ここでの光の扱い方は、点の光としている。点の光は、より象徴的に、より印象的に扱われ建築に命を与える。
その他のメソッドとしては、建築の外皮に設けられたスリットからは風を導き、大屋根と各室の間にできた空洞は、断熱効果を生むと同時に、小屋裏収納として機能する。

そして、もう一つのソフトは、RAKUENで全て統一された森(造園)、家具、照明、小物たちである。
 
真の空間は建築だけでは存在しない。
建築、造園、家具、全て同じ価値観で同じ美意識でつくる。
すべてつながっている。
 
美しい世界を

作品が建築雑誌『I’m home』に掲載されました。

image先日、建築雑誌『I’m home』に私共の作品が掲載されました。
 
スタッフと共に悩み考えた建築を見て頂けましたら嬉しいです。
また今月発売の『I’m home』でも私共の作品が掲載されますので、是非見て頂けましたら更に嬉しいです。
 
近々、雑誌の撮影があり大阪へ来ましたが、朝夕の涼しさに、秋の訪れを感じています。
 
自然と共に生きる。

森のコートハウス。

image先日完成しました【森のコートハウス】の土間空間から。
 
この住宅は、森と共に住む、をテーマに樹々の葉、幹、そして木洩れ陽を様々な場から感じられる設計となっています。
 
【自然は何よりも美しい】
人間が何をつくっても自然の美しさにはかなわない。
でも、その美しい自然を感じられる場をつくることは、設計で可能であると信じている。
心を自然へ向け、風、光、影の移ろいを感じることから設計が始まる。
 
私の設計は、その場の空気感を映し出すことにある。

建築は空気。

imageいよいよ、【森のコートハウス】明日からオープンハウスです。
たくさんのご予約を頂きまして誠に有難うございます。
皆様のご来場をお待ち致しております。
 
山本雅紹建築設計事務所 & RAKUEN では【世界のどこにもない空気】をテーマに空間をつくっています。
建築とは、人がつくるモノです。モノは設計図面があれば、一応は出来上がります。
勿論、その設計図面は我々の心から紡ぎ出される結晶です。
 
我々は設計図面を元に建てられた建築に、心を与えることが最も大切なことであると考えています。
建築に心を与えることで、建築は姿、形の造形を超え、その場の空気となります。
姿、形のデザインを超え、その場の空気が醸し出された空間こそが、真の建築の姿であると考えています。
 
10代の頃から世界を旅して、私の目に映っている世界。
あの町のあの曲がり角で感じた風。路地に差し込む光。
水面を照らし出す夕陽。樹々の隙間から漏れる光と影。
 
人が彩る熱帯。人が集う静寂。
目に見えない空気をつくりだす。
 
建築は空気。

オープンハウスの開催日が決まりました。/森のコートハウス

image完成見学会オープンハウスのお知らせです。
設計工事を進めていました住宅が完成いたしました。
これから建築をお考えの皆様にこの機会に空間を体験して頂きたいと思っております。
是非、皆様のご応募お待ちしております。
 
日時/7月25日、26日  10時~18時
場所/奈良県内
オープンハウス見学ご希望のお客様は、山本雅紹建築設計事務所のホームページ上の
【お問い合わせ】から、ご参加日時をご記入の上、ご応募お願い申し上げます。
ご応募頂きましたお客様へ、オープンハウス会場の住所をメールにて返信させて頂きます。
完全予約制で対応させて頂いておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 
この建築は、【森と共に住む】をコンセプトに、光と影の陰翳ある住まいとなっています。
インテリアはR A K U E Nでコーディネートし、建築と融合した空間をつくっています。
 
世界にどこにもない空気感をご堪能下さい。

沖縄の住宅 白河の森 作品公開いたしました。

image新しい作品【沖縄の住宅 白河の森】作品公開いたしました。
 
この建築は、平面計画上半分を緑、庭のスペースとし、風の道と緑のアマハジ、そして家族が集う森のリビングを中心に設計しています。
5年後10年後、緑のアマハジや庭が彩りに溢れ、家族の笑顔で満たされることをイメージして、空間をつくりました。
またインテリア、庭は、RAKUENで建築と調和を図り、トータルに空間をデザインしています。
 
建築は完成した時から、新たな完成へ向けて動き出します。
その空間で家族または使い手がどのように動き、どのように感じるかを常にイメージし建築をつくっています。
 
建築とは、長い歳月の中で存在する。
だからこそ、愛情を持ってひとつひとつ粘り強くこれからも建築を考えていきたい。

森のコートハウス/完成見学会オープンハウス

image近々完成見学会を開催します現場から。
 
写真は、最終の仕上げ工事で和室に漆喰を塗っています。
この和室は、LDKからはテラスを介して存在する離れの和室となっています。
中庭の紅葉と共にある和室を彩る質感のあるテクスチュア。
光と影。
陰影は空間の広がりを、心の広がりをもたらします。
 
人が住む空間。
時に人を笑顔にし、時に人を励まし、時に人を温かく包み込む。
だからこそ、愛情を持って最後の最後まで粘り強く設計は続く。

建築完成見学会オープンハウスのお知らせ。

image設計工事を進めています建築がもう直ぐ完成致します。
施主様のご厚意で、完成見学会を開催させて頂く運びとなりました。
 
これから建築をお考えの皆様に空間を体験して頂きたいと思います。近々、ホームページ上でご案内させて頂きます。
 
この建築は、都市の中でプライバシーを確保しながら森の中で暮らす、をコンセプトに陰影のある建築となっています。
室内は漆喰塗りで落ち着いた表情を出すと共に、調湿作用のある漆喰塗りは、夏の暑さ冬の寒さ対策に有効的な素材です。
 
光と影。開口と壁。
森と共に。

PROFILE

山本 雅紹

建築家
山本 雅紹
Masatsugu Yamamoto

一級建築士

宅地建物取引士

 

その場にしかない空気を求めて

 

十代の頃から世界を旅している

 

あの町のあの曲がり角で感じた風

路地に差し込む光

 

水面を照らし出す夕陽

樹々の隙間から漏れる光と影

 

人が彩る熱帯

人が集う静寂

 

旅は空気を教えてくれる

目に見えない空気をつくりだす

 

建築は空気。

 

山本雅紹

 

<趣味>

世界中の町の空気を肌で感じる旅を10代の頃から続けています。旅を通してその場で感じたことは、建築をつくる上で大きな原動力となっています。

 

<旅した国>

フランス/イタリア/スペイン/ドイツ/スイス/トルコ/オーストリア/エジプト/アメリカ/フィンランド/カナダ/インド/カンボジア/中国/タイ/インドネシア/メキシコ/ポルトガル
旅のスケッチ

 

<好きなこと>

ビールを飲むこと

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